資料詳細
項目 | 内容 |
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資料番号 | CH00005657 |
形状 | 自然史、写真・静止画像(データ) |
資料名 | 春日井キャンパスの植物(サザンカ) |
作者 | 学校法人 中部大学 |
設置場所 | 中部大学 |
コレクション名 | |
計測値 W(mm) | |
計測値 D(mm) | |
計測値 H(mm) | |
分類 | 自然史 |
解説 | ツツジ目ツバキ科ツバキ属Camellia sasanqua。原産地日本における自生地北限は山口県で、花の色は白であったらしい。中部大学の生垣や植え込みに数多く見られる赤い花のサザンカは改良された品種なのだろう。寒椿(カンツバキ)とも呼ばれる。12月から2月にかけて咲き、「サザンカ、サザンカ咲いた道、焚き火だ、焚き火だ、落ち葉焚き。当たろうか当たろうよ、…」(「焚き火」巽聖歌作詞、渡辺茂作曲、1941)のとおり、冬の花である。花言葉は「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」などとある。学園へのそんな想いがこの花を植栽に選んだ人にあったのだろうか。 杯状の花は美しく、中心には黄色い多数のオシベがある。ツバキの花に似るが、ツバキと異なってオシベは房状に集まらず、花弁はバラバラに散る。また、ツバキの花弁は基部で繋(つな)がっていて、散るときには全体が一度に落ちる。萎れた花を片付ける手間が不要と英国の園芸の本*にあった。サザンカの葉も樹も見かけはツバキに似ているが、葉はツバキの半分くらいの大きさで、樹も小ぶりである。ツバキ同様、花の形態が異なる多数の品種があるらしい。ツバキ科の葉を食べるチャドクガの幼虫に刺されると、皮膚が点々と腫れ、痒い。生垣のサザンカが枯れる原因の一つはこの虫の食害にあるらしい。18世紀に欧州に紹介され、ツバキとともに人気を呼んだが、やがてツバキが隆盛となった。ツバキの花に香りは無いが、サザンカに香りのあるものがある。種子はかつてツバキと同様に油を採る原料に使われた。 「山茶花」は中国語でツバキ類一般を指す「山茶」に由来し、サザンカの名は山茶花の本来の読みである「サンサカ」が訛ったものといわれる。もとは「さんざか」と言ったが、音位転換した現在の読みが定着したという。 参考) 「世界有用植物事典」植物編、堀田満ほか編、平凡社1989 「花と樹の大事典」、木村陽三郎監修、柏書店1996 「花の西洋史事典」*、Alice M. Coats、白幡洋三郎、白幡節子訳、八坂書店2008 Wikipedia、サザンカ 出典:「春日井キャンパスの植物」(『ANTENNA』No.156、2022年7月、12頁。 太田明徳 記および撮影 学校法人中部大学 総長補佐(当時)) |