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資料詳細

項目 内容
資料番号 CH00005590
形状 自然史、写真・静止画像(データ)
資料名 春日井キャンパスの植物(エゴノキ)
作者 学校法人 中部大学
設置場所
コレクション名
計測値 W(mm)
計測値 D(mm)
計測値 H(mm)
分類 自然史
解説 エゴノキ科エゴノキ属Styrax japonica。30号館と潜龍池の間の木立の中に1本だけ見つけた。庭木として植えられたものだろう。落葉小高木で日本各地に生育するという。5月頃に咲く白い花の形と樹皮の様子からカイドウの仲間かと思ったが、花弁が少し尖りどこか違う。下向きに群れ咲く可憐な花に感銘を受けたのだが、名前を調べると「エゴノキ」であった。自分勝手な木ということではなく、果実がえぐい(えごい)ためらしい。「これは食べられませんよ」 という実用本位の名前で、清楚な花の姿にふさわしくない。一月ほど経って見に行くと果柄の先に青白い実がついていた。北米の同属近縁種はsnowbellと呼ばれ、図鑑で見ると、エゴノキに似た白い花がたくさん垂れている。エゴノキはJapanese snowbell というらしい。
その強いえぐみは果実に含まれる有毒なエゴサポニンという物質によると言う。界面活性剤のような性質があり、果実を水とともに揉めばせっけんのように泡立つらしい。でも、有毒だからせっけんにはしない方が良さそうである。エゴノキの仲間は東アジアを中心に130種ほどもあり、それらの中には樹脂に安息香(ベンゾイン)を含み、香料の原料となるものがある。
本学のエゴノキは写真を撮影した翌年の台風によって近隣の木が倒れ、その下敷きとなって折れてしまった。その後根本から伐採されてしまい、がっかりしたが、最近行ってみると、切り株から新しい枝が伸びている。無事成長して花をつけてほしい。

参考:原色日本植物図鑑(木本編Ⅰ)、ウィキペディア日本語版・英語版、京都民報 WEB(2013.7.29)仲野良典によると、北原白秋の詩に「水口のえごのひと木の群花は田の植ゑそめていよよすがしさ」がある。

出典:「春日井キャンパスの植物」(『ANTENNA』 No.153、2021年10月、12頁。太田明徳 記および撮影 学校法人中部大学 総長補佐(当時))