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資料詳細

項目 内容
資料番号 CH00005589
形状 自然史、写真・静止画像(データ)
資料名 春日井キャンパスの植物(シャガ)
作者 学校法人 中部大学
設置場所
コレクション名
計測値 W(mm)
計測値 D(mm)
計測値 H(mm)
分類 自然史
解説 アヤメ科アヤメ属、Iris japonica。japonicaとあるが中国原産の単子葉植物で、山地の湿った林下、斜面などに群落をつくる常緑多年草。径5~6cmの薄紫の花弁を持つ花をつける。4月に咲き始め、美しい。
キャンパスの花、日本にあるシャガは三倍体で、種子を作らないので、人為的に植えられて増えたものらしい。彼岸花(曼珠沙華)の例を思い出す。リサーチセンター南側の谷間にシャガの群落がある。恐らくは谷に小橋が架けられ、庭園として整備された際に植えられたものだろう。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行で人手を入れていないためか、谷間は落ち葉や枯れ木に埋もれ、勝手に生えた小樹や木立が繁茂して荒れている。リサー チセンター南面には谷間の景観を意図してであろうか、ガラス張りの階段が張り出しているが、惜しいことである。22号館南東の林地と建物の間の日陰にもシャガが群生している。
シャガという少し風変わりな和名は 同属ヒオウギの漢名である射干(シャカン)から転訛(てんか)したものという。しかしヒオウギの花はあまりアヤメやシャガに似ていない。群落が一斉に咲き始めるのはソメイヨシノと同じで遺伝的に同一だからだろう。花弁の縁に細かな切れ込みがあり、舞うような花の形からか、「胡蝶花」とも言うらしい。
薬草として、肝炎、喉の痛みに、根茎は腹痛、歯痛、扁桃腺炎、便秘などに用いられるという。フラボノイド tectorigenin, apigenin, tilianinなどの二次代謝物質を含む。それで古い時代に日本に持ち込まれたのだろう。「胡蝶花」がリサーチセンターに蝶類研究資料館を呼び寄せたのだろうか。

参考:「日本の野草」p594、ウィキペディア、熊本大学薬草園植物データベース

出典:「春日井キャンパスの植物」(『ANTENNA』 No.152、2021年7月、9頁。太田明徳 記および撮影 学校法人中部大学 総長補佐(当時))