資料詳細

項目 内容
資料番号 CH00005601
形状 自然史
資料名 アサマシジミ
作者 日本産蝶類藤岡コレクション
設置場所
コレクション名 日本産蝶類藤岡コレクション
計測値 W(mm) 32
計測値 D(mm)
計測値 H(mm)
分類 自然史
解説 和名: アサマシジミ
ラテン語:Lycaenides subsolana (Eversmann, 1851)
英語名: Subsolana blue

亜種名:イシダシジミ(北海道特産亜種): ssp. iburiensis (Butler, 1882)
    ヤリガタケシジミ(本州高山帯亜種):ssp. yarigadakeana (Matsumura, 1929)
    アサマシジミ(狭義) ssp. yaginus (Strand, 1922)

雄雌の区分:♂

採集地:Kamikochi Nagano-ken

採集年:20,Jul.,1952

採集者:T. Fujioka

主な特徴:
形態的特徴::♂は前後翅表の基部に青い鱗粉を散布する。♀は暗褐色。本州高山帯の個体群(ヤリガタケシジミ)の♂は、前後翅表面全体に青色鱗粉を散布する。これに対し狭義のアサマシジミ亜種の♂は地域ごとの変異が激しく、極めて青色鱗粉の発達の悪いものから発達の良いものまで千差万別である。一般に狭義のアサマシジミ亜種♂♀は他の亜種♂♀に比較し大型である。外見が酷似し、棲息環境が同じのヒメシジミ、ミヤマシジミに比較しても本種は大型。

生態的特徴:年1化。北海道産亜種イシダシジミでは、6月末から7月初めが。高山帯の亜種ヤリガタケシジミでは7月初めから中旬が、低山帯亜種では早いところでは6月中旬から、いずれも発生し始める。それから1週間くらい後が最盛期。
本種の棲息適地は主に食餌植物の生育条件に左右されて決まる。すなわち低山帯のナンテンハギ類は開墾された直後の荒れ地の周囲に群落を作ることから、新規に開墾された畑や、植林のため伐採された直後の草原でよく見かける。また北海道では河川敷や牧場周辺の牧草地が棲息適地となる。
なお高山帯亜種では斜面がしばしば崩落する崖の上部の草付きなどがオウギ類の生育に適するためそのような場所を好んで棲息する。
飛翔は緩やかで、草丈以上の高さを飛ばない。低山帯亜種ではクサフジやナンテンハギの花を好んで訪花吸蜜する。

食餌植物:ヤリガタケシジミ;タイツリオウギ、イワオウギ、
イシダシジミ:ナンテンハギ
狭義のアサマシジミ:ナンテンハギ、エビラフジ、ヨツバハギなど

主な分布地域、その他:
北海道亜種:北海道全域
ヤリガタケシジミ:本州中部山岳地帯、北アルプス周辺、長野北部の戸隠山周辺、新潟県と長野県の県境の妙高山周辺、石川県白山
狭義のアサマシジミ:東京都、神奈川、埼玉、山梨、長野、群馬、新潟、富山、そして静岡各県から記録がある。2022年現在かなり多くの地で絶滅したと考えられる。