資料詳細

項目 内容
資料番号 CH00005594
形状 自然史
資料名 クモマツマキチョウ
作者 日本産蝶類藤岡コレクション
設置場所
コレクション名 日本産蝶類藤岡コレクション
計測値 W(mm) 40
計測値 D(mm)
計測値 H(mm)
分類 自然史
解説 和名:クモマツマキチョウ
ラテン語:Anthocaris cardamines (Linnaeus, 1758)
英語名:Orange Tip

亜種名:北アルプス亜種:ssp.isshikii Matsumura, 1925
    南アルプス亜種;ssp. hayashii Fujioka, 1970

雌雄の区別:♂

採集地:広河原

採集年:Apr., 1968

採集者:不明
    コレクションにおいて、本種とその国外近縁種を含める総数は800個体以上にのぼる。収集者の藤岡知男氏は、本種の産地とされるほぼ全域の個体群を集め整理し、1970年には蝶研究の恩師の名前を亜種名hayashiiとして献名されたという。

主な特徴:
形態的特徴:♂♀とも、翅表は多くのシロチョウ科の特徴である白色の地色と、前翅中室には黒斑がある。後翅裏面は緑褐色の地色に白い斑点が散在する。

生態的特徴:年1化。食餌植物の生育条件が限られるため、場合によっては2年以上休眠する例もあることが国外では知られている。初夏に孵化した幼虫は夏の終わりには蛹になり、そのまま10ヵ月近く蛹で過ごす。なお発見された場所が立山連峰の標高2000mの地のため高山蝶とされたが長野・新潟両県の境界姫川流域では海抜300m付近まで棲息域が広がる。ヨーロッパでは英国や北欧では平地の蝶である。なお「クモマ」とは「雲間」のことで高山の山頂を意味する。なお「クモマ」を付したのは本種の国内発見者、中村清太郎画伯の命名の際による。飛翔は緩やかで、棲息域にあるアブラナ科の各種の花を訪花吸蜜する。

食餌植物:国内ではアブラナ科のイワハタザオ、ミヤマハタザオなどハタザオ類の茎や実を食べる。

主な分布地域、その他:
日本では、本州中部山岳地帯(南アルプス、北アルプス、八ヶ岳、
長野北部の戸隠山周辺、新潟県姫川谷、新潟県と長野県の県境の妙高山周辺にのみ分布する。
国外では、イベリア半島、イギリス本土、スカンジナビア半島、東欧全域、ロシア全土などユーラシア大陸北部全域に及ぶ。高標高地には棲息せず、都市の公園や市街地の花壇でみられるという。中国では、モンゴルやチベット地域に限られ中国東北3省(吉林、遼寧、黒竜江各省)や朝鮮半島には産しない。