資料詳細

項目 内容
資料番号 CH00005593
形状 自然史
資料名 ギフチョウ
作者 日本産蝶類藤岡コレクション
設置場所
コレクション名 日本産蝶類藤岡コレクション
計測値 W(mm) 51
計測値 D(mm)
計測値 H(mm)
分類 自然史
解説 和名:ギフチョウ
ラテン語:Luehdorfia japonica Leech,1889
英語名:Japanese Luehdorfia

亜種名:Luehdorfia japonica Leech,1889

雄雌の区分:♂

採集地:岐阜県大野郡清見村池本

採集年:5,May,1983

採集者:藤岡知夫
    コレクションのなかでも、このギフチョウが最も収集に注力されており、標本総数は、海外産縁種を含めると1万匹を超える。

主な特徴:
形態的特徴:♂♀とも俗名「ダンダラチョウ」の由来のとおり、前後翅表に黄色の地色に黒い筋が縦に間隔をあけて列をなしているように見える。更に後翅の外縁に沿って青い点列があり、それを取り巻くようにオレンジ色の点列がある。後縁角には赤斑を表す。

生態的特徴:年1化。早春に現れ2週間ほどで姿を消す。早春の陽だまりの陽炎を意味する英語表記,スプリング・エフェメラル:Spring ephemeraの代表的生物として「春の女神」の呼び名でメデイアに取り上げられる機会も多い。しかし近年里山の荒廃と減少により各地で眼にする機会が減っている。地表近くを飛び、スミレ類、キイチゴなどを訪花吸蜜する。
なお卵が孵化してから蛹になるまで約50日。1年のうち10か月近くを蛹で過ごす。

食餌植物:ウマノスズクサ科カンアオイ属各種。ギフチョウの産地の各地のカンアオイ属は固有種が多い。それらを食す。

主な分布地域、その他:
日本固有種。産地は本州に限られる。近縁種ヒメギフチョウLuehdorfia puziloi(Erschoff, 1872)と中部地方と東北地方の一部では分布域が重なるがほとんどの地では棲み分けをする。分布の重なる地域では混棲域がある。この棲み分け境界をLuehdorfia Lineといい、生物地理学の棲み分け理論ではしばしば引用される。なお混棲域では自然交雑に依る種間雑種が複数採集されていて報告されている。