資料詳細

項目 内容
資料番号 CH00005376
形状
資料名 Leica M3 No.703002
作者 伊藤平左エ門カメラコレクション
設置場所
コレクション名 伊藤平左エ門カメラコレクション
計測値 W(mm) 138
計測値 D(mm) 93
計測値 H(mm) 79
分類 技術史
解説 ライカ(Leica)は未だに世界中で愛され続け、ブランドイメージを保ち得ている数少ないカメラであり、伊藤平左エ門先生(中部大学名誉教授・1922~2004)のコレクションの中核をなしている。
ライカM3は、1954年のケルンのフォトキナ(カメラ見本市)で発表された。それ以前のモデル(バルナック型)では別々であったレンジファインダー(光学距離計)とファインダーとが一体の構造になった。これはプリズムを使用した精巧な造りになっており、M3の心臓部とされる。同時に、交換レンズがバヨネット式(Mマウント)に改められ、低速と高速で別々になっていたシャッターダイアルが一軸式となった。このM3は1967年の生産終了までに累計22万台を超えるベストセラーとなり、それ以降続くM型ライカの基礎を築いた。
本機は、シリアルナンバーから最初の製造ロットの希少なものであることがわかる。この初期モデルでは巻き上げレバーがダブルストロークであったが、すぐにシングルストロークに改められた。このレバーの滑らかなトルク感やシャッター・レリーズの「コトリ」と静かに落ちる音などは製造から60年以上経た今も撮影者を魅了する。
この古いライカM3のファインダーは、実は、他のどのライカより大きく質も良い。それを覗きながら撮影レンズの距離リングを回して、視野中央の距離計像をファインダー像と合致させればピントが合う。また、焦点距離50、90及び135mmの交換レンズごとに撮影範囲を示すブライトフレームが眼前に浮かび上がり、近距離でのパララックス(視差)も自動で補正する凝った機構になっていた。さらに、M3のレンジファインダーは0.91という高い倍率と69.25mmという長い基線長(距離計/ファインダー間距離)により、ライカ史上最も高い合焦精度を誇る[1]。装着されていた当時最も明るいとされた、標準レンズ「ズマリット(Leitz Summarit) 50mm F1.5」との相性も良い。


参考文献
[1] Ken Rockwell, LEICA M3, World's Greatest 35mm Camera (1954-1967) https://www. kenrockwell.com/leica/m3.htm (Apr 2020).